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キノコのサプリメントの実際(雑誌資料別冊)

(雑誌 「治療」Vol.89,3月増刊号 p1230〜南山堂)

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その他

キノコ類は古くから漢方薬のなかに生薬として用いられており、日本で保健薬として臨床に使われる漢方薬の中に処方されているキノコは、霊芝、猪令、茯苓(ブクリョウ)である。このうち茯苓はマツホドの菌核、猪令はチョレイマイタケの菌核であり、またロシヤの生薬のチヤ―ガもカバノアナタケの菌核である。これらについてはいろいろな生理活性が報告されているが、いずれも菌核であるので、資源として生産性は低い。霊芝は健康食品としてよく用いられており、日本だけでなく中国でもがんやアレルギーに対する作用が研究されている。

また猿頭茹(猴頭茹、ヤマブシタケ)は一時期中国で胃薬として使われていたが、今は殆ど用いられていない。冬虫夏草は強壮作用や免疫賦活作用が知られており、漢方薬として用いられるのはシナトウチュウカソウとそれに寄生する昆虫の生薬であり、その他いろいろな冬虫夏草が見出されている。マイタケはサルノコシカケ科の唯一の食用キノコで、そのD-フラクションは原論文にも書かれているように、我々がシイタケで用いた方法を応用して分離された抗がん多糖体である。また我々はマツタケの培養菌糸体も研究したが、栽培が難しいキノコであり、培養でも気難しく生産性はあげることはかなり難しい。

そのほかキノコの生理活性として、コレステロール低下作用、抗アレルギー作用、血圧低下作用などいろいろ知られている。またビタミンDの前駆物質であるエルゴステロールを多く含有するので、骨粗しょう症に有効性がある。それらはいずれも特殊なキノコにあるわけでなく、我々の身近にあるよく食べられているキノコにある。

このように近年キノコの生理活性や機能性については、欧米先進国のみならず世界的に関心が深く、キノコと健康について活発に研究されている。また我々のこれまでの研究も注目されており、2001年から隔年、国際学会(International Medicinal Mushroom Conference、第一回、キエフ、会長:筆者)が開かれている。

以上述べたように、我々が数多くのキノコを検討した結果、あまり特殊なものではなく、日本のポピュラーな食用キノコに良い結果が得られた。こういう研究の過程で、改めて東洋で古くから説かれている「医食同源」という言葉に歴史の重みを実感した。また消費者が先ず安全、安心を求めるのは当然のことであり、ヒポクラテスの時代から、「First, do no harm」は、洋の古今東西を問わず、医学の基本理念である。したがってサプリメントでも身近な食用キノコが優れていると考える。

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