いつまで がん 治療を続ける?

多くの がん 治療の場合、5年経過した時点で再発や転移がなければ一応の区切りとなります。しかし、私は治療を中止してもいいとお話しても多くの患者さんが不安に思って治療の継続を希望されます。
たしかに治療後5年経過したと言っても100%大丈夫って言えないのが医学の世界ですから、減量した方法で継続をするってことを提唱しています。

減量した方法での治療の継続について

これを分かりやすく車に例えると、まずエンジンをイメージしてください。

免疫賦活剤や食品を減量した状態で免疫という車が加速し、スムーズに走るか?といったら不十分だと言わざるを得ないですが、ただしエンジンのアイドリング状態だと思ってください。
つまり、アイドリングでエンジンが暖まっていれば、いつでも直ぐに車は走り出せますが、完全に切ってしまってエンジンが冷え切っているとエンジンが暖まるのに時間がかかって車体はすぐには走り出せません。

つまり、免疫賦活剤や食品は少量でも摂取し、免疫力が常に上がるように準備をしておく。ということです。

免疫を賦活するとされている食品

私が がん 患者さんに勧めている、免疫を賦活するとされている食品は、キノコ製品とか海藻類由来品とか酵母製品とかです。

抗がん剤 を使用する場合

前述した副作用の少ない 抗がん剤 は身体の中でどういう役割を演じているかというと、あれも免疫を調整している可能性が高いと思うのです。
ただし、働く場所がちょっと違っている可能性があると考えています。

だから 抗がん剤 も がん 細胞に対する効果だけを見るのだけではなくて、患者さんに対していい影響なのか?悪い影響なのか?を見て、出来るだけ悪い影響を出さずに良い影響だけを出すようなやりかたというのを医師が 抗がん剤 を使う上で考えていけばいいと思います。

抗がん剤 に対する医師のイメージ

抗がん剤 に対する医師のイメージというのは、抗生物質と同じようなイメージを持っている人が多いように感じます。

つまり、抗生物質は短期間に集中して投与しないと必ずと言っていいほど耐性菌が出現してきます。 抗がん剤 も同じような感覚で使用されていて、最初に叩かないと 抗がん剤 耐性の がん 細胞が出てきてしまうって考え方です。

たしかに 抗がん剤 が効かなくなるのに耐性という問題もあるとは思いますが、 抗がん剤 が効かなくなるのは全て耐性で説明できるでしょうか?

抗がん剤 の耐性について

普通一般的に耐性菌は同じ抗生物質を一ヶ月も投与していれば間違いなく出現してきます。ところが 抗がん剤 は1年、2年投与し続けてもずっと効いている人もいます。同じ 抗がん剤 を2年も投与し続けているのに効いている人が居るのです。
じゃあ、この人は 抗がん剤 対して耐性は出来なかったんですか?という話になる。 抗がん剤 にはありえても、抗生物質ではこういうことはあり得ないのです。

抗がん剤 が効かなくなるのは、おそらく 抗がん剤 耐性の問題もあるかも知れませんが、患者さんの免疫が下がるということも、効かなくなる原因の一つだと考えます。

免疫が がん を押さえ込んでいたうちは効果が認められたが免疫が下がることによって がん 細胞を抑制できなくなってその結果、 がん が増大したということもあるのではないか?そういうことというのはなかなか説明できないものですよね。

つまり、 抗がん剤 が効かなくなる理由として“耐性”と一言で片付けてしまっていることにも問題があると思います。

それでは耐性と判断した がん 細胞を本当に耐性ができているのかどうか証明できるのか?といえば証明してもいないし、試験管の中での反応が本当に生体内で起こっているのか?証明すらできないわけです。

がん に対する免疫力の現状

免疫を担当しているのは血液の中でも白血球というものなのですが、特に がん に対しての免疫力となると白血球の中のリンパ球という細胞です。でも白血球数とかリンパ球数が「正常範囲にある」ということと「活性化されている」ということは違いますね。

つまり、リンパ球数が十分にあるということと、リンパ球数が活性化され がん と戦う力を持つということは、別の問題かもしれません。

そういう意味では がん に対する免疫の指標をきっちりと決めないといけないのですが、なかなか難しいのです。

免疫の指標が低い人をいかに上げてあげるか。
免疫を上げるためにはどういった方法をやるのか?

という話になってくるのです。

そこの部分がまだ がん の指標というか、モニタリングというか全然まだ分かっていないのが現状です。

まとめ

私は出来ることなら、あまり 抗がん剤 は使いたくないのです。しかし現状では、 抗がん剤 を使わずに がん 治療をするというのは難しいです。
それならば 抗がん剤 をうまく使っていくことを考える方が がん 患者さんのためには、メリットも大きいようです。せっかくの 抗がん剤 ですから利用しない手はないと思います。

最近では、厚労省も入院治療よりも外来治療を奨励していますので、外来に通院して 抗がん剤 を投与する環境が整ってきています。これからもそういうケースがかなり増えて来るのではないでしょうか?

だから、よけいに“セカンドオピニオン的な医師の必要性”が増えると思います。

「元近畿大学腫瘍免疫研究所 丸山医師」