もし自分が がん になったらどうするか

私たちが、日々いろいろな健康のご相談をお受けしていている中には、肝臓病、様々なガン、慢性疾患を始めとする様々な難しい病気の人がたくさんいます。

そこには、様々な課題や、背景、人生観など考えさせられたりすることがたくさんあります。

「もし自分がガンになったら・・・」
と仮定して、漢方薬剤師の私だったらこうすると思います。
がん との戦いということを前提に考えました。もちろん恭順、和睦という手も残されています。

以下に述べますが、これは参考程度にしておいてください。
あくまでも健康な私が考える事ですので・・・

もし自分が がん の疑いがあると診断されたら

もし私が がん の疑いがあると診断された場合、個人的に孫子の兵法が好きなので、ここから戦う方法をみて がん の対策を考えます。
(孫子の兵法を知らない方でも、これは参考になると思います。)

「彼を知りて己を知れば百戦危うからず」
(敵と自分について良く知っておけば、100戦しても負けない)

1.まず、 がん と自分の身体をよく調べ、今の状態(状況)を把握する。

「がん」の程度や部位、進行具合、体調などにもよりますが、まず検査を徹底的にしてガンの様子を知ります。そして主治医の医師の見解を詳しく聞きます。
(インフォームドコンセントという情報開示の権利を行使します。)

検査をしますが、血管造影剤など身体に負担をかけるものは極力避けたいと思います。それは がん と戦うための体力を温存するためです。

そして、図書館やインターネットでそのガンについて調査し、医学知識を持たれた方の意見も聞きます。その際主治医以外の第3者の医師の話を聞いたり、まったく違う立場の専門家からの意見を聞きます。
(セカンドオピニオンとしてアドバイスしてもらう)

「先ず勝つべからざるを為す。」
(まず負けないための体制を整える。)

2.放射線、 抗がん剤 、手術等の身体に負担のかかる治療法を行う前の準備をする

がん の主な治療法である放射線、 抗がん剤 、手術などは身体に対して多大な負担を強いられます。
血液検査などをすれば、体の免疫力や充実度などがある程度わかります。そのために、その負担に耐えうる体力、気力、食欲、免疫力などをつける準備を致します。
それには、漢方やサプリメントなども使います。

そして、自分の がん に関して第一選択として放射線治療を考えます。
なぜならば体内の負担が一番軽いと考えられるからです。
抗がん剤 や手術が有用であると判断した場合、それに臨むと思いますが、その期間も食事、漢方やサプリメント等で手術等による体力低下を少しでも防ぐような基礎体力・抵抗力作りをします。

そして手術に臨むのですが、術後の 抗がん剤 については、果たしてその 抗がん剤 が自分のガンに対して何%有効であるかを調べ、服用するか否かを判断します。
また、 がん休眠療法 という 抗がん剤 を通常の半分以下で使用し身体に負担を少なくする方法もあります。こういう手も考えられます。

がん が大きくならなければいい。こう考えるわけです。

手術後は、体力回復と組織再生をさせなくてはいけないですから、食欲回復と栄養のバランスを考えた漢方やサプリメントを服用すると思います。

抗がん剤 服用時は、胃腸と肝臓機能、造血細胞を痛めますので、副作用から身体を守り、免疫力を上げる物を服用すると思います。

いずれにしても がん や化学物質との戦いです。攻撃よりも守りを重点に考えると思います。漢方やサプリも、もちろん食事との兼ね合いもあるのでしょうが・・・
身体が欲するだけ摂り入れたいと思います。

「勢に求めて人に責(もと)めず。」
(個人の能力よりも全体の勢いというものが大切である。)

3.リンパ免疫療法や がん ワクチン療法をするに関して。全体的な免疫細胞の活性が大切。

現在、だんだん4つ目の療法として認知されつつあるリンパ免疫療法ですが、保険の利かない療法で、期間にもよりますが大体200万円~400万円以上かかります。
私どもの対応した患者さんにもされた方は結構いますが、単独で免疫療法をすると有効率は20%ぐらいです。

私はこう考えます。
がん ができ、進行しているという状態の時は免疫力が通常より低下しているときです。
つまり、がんと戦う免疫力の勢いが少ないときです。
その中に、リンパ免疫療法で活性化した がん と戦う気が満々のリンパ球が体内に入ってきても、全体の士気が低いものですから活性化した少数のリンパ球だけではうまく がん 細胞と戦えないような気がするのです。
がん という強大な敵と戦い勝つには、やはり全体的な免疫細胞の士気と量が大切です。そのために20%という確率にしかならないのだと思います。

もし漢方やサプリメントで全体的な免疫細胞を活性化し、士気を高めているとすると、少数の活性化されたリンパ球が入ってくるとその士気が伝播するのではないかと思います。
結果、免疫力の勢いがつき、確率が向上すると思います。

「知者の慮は必ず利害に雑(まと)う。」
(知恵のあるものは、常に利と害について考える。)

4.結果がとれ、採算が取れるように考えて行動をする。

結果がとれ、採算が取れるように考えて行動するといいと思います。
そのためには、その場の雰囲気や状況によって流されるのではなく、きちんと結果がでるように様々な情報を仕入れ、分析し、知識者の意見を聞いて判断するの がいいと思います。臨機応変ということばもありますが、分析ができない人や、知識を持たない人の意見は参考にはなりません。
やはり、良いセカンドオピニオン、サードオピニオン(助言者)を持つことが重要です。

そういったことをきちんと考え実行した上でも、あまり期待は抱かず、冷静に捉えるのです。私が がん にかかったときは、自分の人生を見直す時期がきたと考えます。
つまり、いずれ来る死が迫ってきたのだということです。
「生病老死」、いずれ人は死ぬのですから・・・。

だから、自分の余生と生きがいと死を前提で、今からしなくてはならない事を考えます。

ガンは、一般的には制限付の命となりますから、制限のある間、何をするか考えるのです。

退院後、私でしたら、体力を保ち免疫を上げるものと、必要な医薬品をそろえ、この世の名残に自分の残りの人生で、自分の魂が輝き、毎日が楽しく思えるよう な事(私でしたら沖縄とかひなびた温泉宿へ温泉療養にいくでしょう)を命がある限り人生と自然を楽しむと思います。もちろん家族と一緒に過ごす時間、思い 出をたくさん作ろうとします。
食事も身になり、力になるものを食べると思いますし、不摂生も少しはすると思います。

また後世に残すべき事を完了させようとすると思います。

そして、最後は、大切な人のそばにいます。

寿命がきても、このように考え、実行することは、悔いを残さないためでもありますし、そうすることで、ひょっとしたら自然退縮の可能性があるかも知れないからです。
実際にそうならないとも言えないのです。
私は、それを狙うでしょう。

私は、死ぬことを前提に考えたほうが治る気がするのです。
経験的に、それが正しい方法かもしれないと考えています。

きっと私は、
「生きてる命」
「生かされてる命」
「自然」
「輪廻転生」
「あるがままに・・・生きよう」

哲学的ですが、最期はそこに行き着くのではないか?と考えています。