「がんで亡くなった父」の死から思うこと

私は、福岡県で薬剤師をしている中尾と言います。私の父は、前立腺がん、肺がん、大腸がんという3つの闘病生活の結果、がんで亡くしました。そんな中 で、父の闘病を見てきて、さらに数多くのがん患者様やご家族の相談を受けて気がついた事が数点ありました。下記に少しご紹介させていただこうと思います。

  1. 末期になると本人の苦痛だけでなく、家族も本当に辛く大変だということ。
  2. 抗がん剤、放射線、手術という選択肢の少なく、しかも身体に対して非常に負担がかかる方法しかないということ。せざるを得ないということ。
  3. 確実に死が来るということを末期まで患者本人が自覚しないこと。不安を抱えながら迷いながら生きていかざるを得ないということ。
  4. 本当にこの治療の選択で正しかったのか? まだ手が打てたのではないのか?もうちょっと長生きできたのではないか? 遺族として思うこと

私は薬剤師としてがんと いう病気に関わり、一流のがんの権威の教授方や医師の先生方、また医学会からは認められてない代替医療をがん患者に対して一生懸命施している医師達、がん患 者を食い物にする健康食品や、外国産の漢方薬もどきを販売する人々、それを広告で煽り、時に批判するメディア達、非常に保守的で患者さんの現状に即してな い国家施策を見ていて、世の中、矛盾を抱えすぎて、医学に関して無知な患者さんが一番、損をしているのではないかと思います。

そのため、私の「製薬会社の研究所」から「病院勤務薬剤師」になり、そして「漢方薬を提供する職業」となり、現在企業人として得られた様々な情報が本当にがん患者さんの参考になるように思ってこのHPを作りました。

賛否はいろいろあるとは思いますし、主観の部分が多く、叱責も承るかもしれませんが、私と同じような立場にいる患者様およびご家族の皆様に必要な情報を、できるだけまとめたつもりです。ぜひ私どもの知識でよければ、皆様方にご提供したいと思っています。

がんは治る病気だとは思っていません。がんとは、死に至るその瞬間まで、上手に付き合っていく病気です。患者さんの、死を前提としたうえで、できるだけ長く、元気で楽な闘病生活がおくれるようにして欲しいと思います。

また、ご家族の悔いの無い患者さんとの過ごし方、見送り方、自分の人生の過ごし方の参考にしていただけたら幸いです。

相談堂代表: 薬剤師 中尾のりよし