抗がん剤の副作用で痺れる原因

抗がん剤による痺れと副作用は深い関係があります。それは抗がん剤が末梢神経に対して何かの障害を起こしているからです。そこで抗がん剤による痺れの原因とその対策について解説をします。

なぜ抗がん剤による痺れが発現するか

抗がん剤による痺れは末梢神経障害という副作用になります。しかしその詳細は現在のところまだわかっていないのです。
現在までにわかっていることは、抗がん剤による神経細胞への直接障害と神経細胞伝達の一部障害と考えられています。
また痺れを発現し易い抗がん剤の種類はわかっています。

抗がん剤による痺れはどのくらい続くのか

抗がん剤による痺れが発現すると回復するのに長時間かかります。それは抗がん剤治療が終了して直ぐに回復することがなく数ヶ月から1年以上もかかります
これには痺れの症状や個人により回復へのスピードに違いが出てきます。

抗がん剤による痺れの症状

・手足が痺れて立ち上がることや物を持つことができなくなる
・手足が冷たい感じになる
・手が痺れて文字が書きづらくなる
・洋服のボタンがかけづらくなる
・歩くときつまずきやすくなる
・靴が履きづらくなる
・携帯電話の操作がしづらくなる
・刺激に対してピリピリする
・冷たい刺激に敏感になる

現在痺れを発現しやすいと言われている抗がん剤

今のところ痺れを発現しやすい主な抗がん剤は、パクリタキセル・ビンクリスチン・ドセタキセル・ビンデシン・シスプラチン・ビンブラスチン・シタラビン・オキサリプラチン・フルオロウラシル・サリドマイド・ベルケイドなどになります。

抗がん剤による痺れの対策

抗がん剤による痺れは生活の質を下げる副作用になります。それに痺れが発症すると長期に及ぶため抗がん剤治療後も生活の質が向上しないのです。だから生活するための工夫が必要になります。

生活の中での対策

・包丁を使うと手を切る可能性があるためピーラーやフードプロセッサーを使いましょう。
・肉や魚は別の人に切って貰うようにしましょう。
・掃除や洗濯にはゴム手袋を着用しましょう。
・食事の際は箸の代わりにスピードやホークを使いましょう。
・飲み物を携帯するときは押すだけで蓋が開く容器を使いましょう。

痺れを軽減させるための方法

・手足を伸ばしたり筋肉を曲げたりして末梢循環をよくしましょう。
・正座をすると足に負担がかかるため、椅子に座るようにしましょう。
・血行が悪くなると痺れが酷くなることがあるため、入浴時はシャワーだけでなく湯船に入り血行を良くしましょう。
・湯船に浸かりながら手足を動かしてみましょう。
・暑い時期にエアコンの冷たい風を浴びると血行が悪くなるため、直接当たらないようにしましょう。

抗がん剤による痺れと漢方

抗がん剤による痺れは直接生命に関わるような副作用ではないですが、回復までに時間がかかり生活の質が低下します。これは生命エネルギーと栄養状態の低下に繋がり、漢方を処方して頂くことにより抗がん剤のダメージを和らげたり栄養状態を改善できたりして回復へのスピードが増す場合が有ります。
抗がん剤にはまだ未知なる副作用があるため、生命エネルギーの低下は治療後の予後に直結します。その為、早い対処が大事になります。